2024年12月9日米国市場

主要指数の動き

ダウ工業株30種平均は240.59ドル安(0.54%減)の44,401.93ドルで取引を終えました。S&P500指数は0.61%下落して6,052.85ドル、ナスダック総合指数も0.62%下落して19,736.69ドルで引けています。

注目銘柄の動向

エヌビディア

半導体大手のエヌビディアは2.55%の下落となりました。中国の国家市場監督管理総局(SAMR)が独占禁止法違反の疑いで同社の調査を開始したと報じられたことが株価下落の主な要因です。特に、2020年のイスラエル企業買収時の合意事項に違反している疑いが浮上しており、中国顧客への対応や半導体供給に関する約束が焦点となっています。

テスラ

テスラ株は上値を試す展開となり、一時404.80ドルまで上昇して2021年11月以来の高値を記録しました。この水準は当時の最高値414.50ドルに迫る水準です。

主要企業の決算状況

ラクルは第2四半期決算で、売上高が140.6億ドルと前年同期比8.6%増を記録したものの、市場予想を下回る結果となりました。特にクラウドサービス部門は108.1億ドルの売上を記録し、12%の成長を示しました。AIへの需要増加を背景に、クラウドインフラ部門は52%の大幅な成長を達成しました。C3.aiは好決算を発表し、第2四半期の売上高が9,430万ドルと29%増加。顧客基盤も着実に拡大し、58件の新規契約を獲得しました。特筆すべきは、マイクロソフトとの戦略的提携により、C3.aiの製品がAzureマーケットプレイスで提供されることになった点です。MongoDBも市場予想を上回る好決算を発表。1株当たり利益は1.16ドルを記録し、売上高も前年同期比で大きく伸長しました。

今週の注目決算

今週後半には、AdobeCostcoの決算発表が控えています。Adobeは12月11日の取引終了後に2024年度第4四半期および通期の決算を発表する予定です。Costcoは12月12日に2025年度第1四半期の決算を発表予定で、市場は引き続き堅調な業績を予想しています。

マクロ経済指標

今週は重要な経済指標の発表も予定されています。特に注目されるのは、12月11日の消費者物価指数(CPI)の発表です。この数値は、来週に控えるFRB金融政策決定会合に向けた重要な指標となります。このように、今週は企業決算と経済指標の両面で、市場の方向性を左右する重要なイベントが目白押しとなっています。特にテクノロジーセクターでは、AI関連の需要動向が注目を集めています。

主要銘柄の動向

AppLovin

アプリ広告プラットフォーム大手のAppLovinは、約15%の大幅下落となりました。S&P500指数への組み入れが見送られ、代わりにApollo GlobalとWorkdayが採用されることが決定したことが響き、6営業日続いていた上昇基調に歯止めがかかりました。

Cava Group

地中海料理チェーンのCavaは12.1%下落し、8月以来初めて50日移動平均線を割り込む展開となりました。好調な決算内容を発表したものの、価格上昇策による来店客数の減少が投資家心理を冷やす結果となりました。

MicroStrategy

ビットコイン関連銘柄として知られるMicroStrategyは7.5%安で取引を終えました。11月21日につけた541ドルの高値からすでに27%下落しており、11月26日以来の安値水準まで売り込まれています。

Palantir Technologies

データ分析大手のPalantirは、米特殊作戦軍(USSOCOM)との3,680万ドル規模の契約拡大を発表したにもかかわらず、5%以上の下落となりました。同社はUSSOCOMのミッションコマンドシステムの主要ソフトウェア統合企業として選定されましたが、株価は最近の高値から反落する展開となっています。このように、個別銘柄では業績や材料に関係なく、利益確定の売りに押される展開が目立ちました。特に、高値圏で推移していた成長株に強い売り圧力がかかる展開となっています。

市場の過熱感

ナスダック市場は、これまでの上昇相場で株価が大きく上昇しており、現在は過熱感が意識され始めています。特に、人気の高いテクノロジー銘柄では、利益確定の売りが出やすい状況となっています。

注目すべきポイント

インフレ指標の重要性

今週発表される消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、市場の方向性を左右する重要な指標となります。これらの結果は、FRBの金融政策判断に大きな影響を与える可能性があります。

テクニカル面の警戒信号

最近の相場動向を見ると、上値を追う買いの勢いが鈍化しており、利益確定売りが出やすい展開となっています。特に高値圏で推移している成長株には、下値リスクが意識されています。

投資戦略のポイント

現在の市場環境では、新規投資には慎重な姿勢が求められます。特に、急騰した銘柄への新規投資は、リスクが高まっている点に注意が必要です。すでに保有している銘柄については、利益確定の機会を見極めることが重要となっています。このような状況下では、銘柄選択の重要性が一層高まっており、個別企業のファンダメンタルズをより慎重に見極める必要があります。

私の勝手に注目銘柄

TCOM・・・大きな利鞘はとれなさそう
ODD・・・もう少し上がったら買います。

韓国政治の激動 - 尹大統領の戒厳令騒動と民主主義の力

衝撃の深夜

12月3日午後10時20分、韓国は未曽有の政治的危機に見舞われました。尹錫悦大統領が突然、非常戒厳を宣言したのです。45年ぶりの戒厳令発出に、国民は息を呑みました。

なぜ戒厳令か?

尹大統領の背景には、深刻な政治的苦境がありました:
  • 支持率は17%にまで落ち込む
  • 2024年4月の総選挙で野党に大敗
  • 妻のスキャンダル
  • 政府高官に対する22件の弾劾訴追

劇的な6時間

尹大統領の宣言直後、国内は激しい混乱に包まれました:
  • 国会前に市民が集結
  • 「尹大統領を逮捕せよ」の叫び声
  • 軍人と市民のもみ合い
  • 国会内での緊迫した攻防

民主主義の勝利

午前1時、国会は戒厳令解除を可決。午前4時30分、尹大統領は戒厳令を撤回しました。

専門家の分析

梨花大学のレイフ=エリック・イーズリー教授は、「法的に無理があり、政治的判断ミス」と指摘。韓国の民主主義にとって、米国の議会襲撃事件を上回る衝撃となる可能性を示唆しました。

今後の展望

この事件により、尹大統領の政治的立場は決定的に弱体化。弾劾の可能性も高まり、韓国政治の不安定さが浮き彫りになりました。

歴史的意義

1987年の民主化以降初めての戒厳令宣言。市民の素早い対応と強い民主主義への意志が、わずか6時間で危機を乗り越えた歴史的瞬間となりました。韓国政治は今、まさに激動の渦中にあります。この事件は、民主主義の脆さと、同時にその強靭さを世界に示す出来事となったのです。